新法令・通達の解説
- 疾病の治療と就業の両立を支援するための指針を策定
- 令和8.2.10 厚生労働省告示第28号=治療と就業の両立支援指針
病気を抱えながらも働く意欲のある労働者が、適切な治療を受けつつ安心して働き続けられるよう、事業主が講ずるように努めるべき措置に関する指針が定められました。
労働施策総合推進法の改正に基づき、現行のガイドラインが法的根拠に基づく指針として位置付けられたもので、雇用形態に関わらず、すべての労働者が対象となります。
また、対象となる疾病は、国際疾病分類に掲げられている疾病であって、医師の判断により、増悪の防止等のため反復・継続して治療が必要と判断され、かつ、就業の継続に配慮が必要なものとされています。
治療と就業の両立支援を行なうにあたっての留意事項として、次の項目が挙げられています。
(1)安全と健康の確保
(2)労働者本人の取組み
(3)労働者本人の申出
(4)措置等の検討と実施
(5)治療と就業の両立支援の特徴を踏まえた対応
(6)個別事例の特性に応じた配慮
(7)対象者、対応方法等の明確化
(8)個人情報の保護
(9)治療と就業の両立支援に関わる関係者間の連携の重要性
また、治療と就業の両立支援を行なうための環境整備として、次の項目が挙げられています。
(1)事業主による基本方針の表明等と労働者への周知
(2)研修等による意識啓発
(3)相談窓口等の明確化
(4)治療と就業の両立支援に関する制度、体制等の整備
(5)事業場内外の連携
治療と就業の両立支援を必要とする労働者が事業主に申出を行なったときは、事業主は産業保健スタッフや主治医と連携するとともに、専門家等の支援を受け、就業継続の可否や就業し続ける場合の措置等を検討することになります。その際、必要に応じて厚生労働省労働基準局長が定める様式例を活用することが望ましいとされています。 厚生労働省はポータルサイト「治療と仕事の両立支援ナビ」において、支援のための様式例やマニュアルを提供しています。 本告示は、令和8年4月1日より適用されます。
その他の新法令・通達
- 相続手続きの負担軽減
- 相続登記の義務化に伴い、特定の被相続人が所有権の登記名義人として記録されている不動産を一覧化し、証明書として交付する「所有不動産記録証明制度」が新設され、交付請求の手続等が整備されています。
- (令和8.2.2 法務省令第5号=不動産登記規則等の一部を改正する省令)
- 土地の乱開発を防ぐ
- 土地の乱開発や無秩序な利用を防ぐため、法人が権利取得者となる場合の届出事項に「代表者の国籍」等が追加されました。
- (令和8.2.2 国土交通省令第5号=国土利用計画法施行規則の一部を改正する省令)
- 育成就労制度導入に伴う整備
- 入管法等の改正により育成就労制度が開始され、在留資格に「企業内転勤2号」が創設されたことに伴い、製造業外国従業員受入事業に関する告示が廃止されます。
- (令和8.2.9 経済産業省告示第7号=製造業外国従業員受入事業に関する告示を廃止する告示)
- 高年齢者の労災防止
- 高年齢労働者の健康状態の把握など、高年齢者の労働災害の防止を図るため、事業者が講ずるよう努めるべき措置に関する指針が定められました。
- (令和8.2.10 高年齢者の労働災害防止のための指針公示第1号=高年齢者の労働災害防止のための指針)
- ハラスメント対策についての指針
- 事業主が雇用管理上講ずべき措置等を示した指針として、カスタマーハラスメント防止指針のほか、求職者等に対するセクシュアルハラスメント防止指針も公表されています。
- (令和8.2.26 厚生労働省告示第51号=事業主が職場における顧客等の言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針 ほか)
出典・文責 ≫ 日本実業出版社・株式会社エヌ・ジェイ・ハイ・テック


